65歳以上の高齢者の介護を同じく65歳以上の高齢者が行う状態を老老介護と呼びます。高齢となったパートナーの介護をするだけでなく、65歳以上の子どもがさらに高齢の親を介護するケースも少なくありません。2013年に厚生労働省が行った「国民生活基礎調査」によると、在宅介護をしている世帯の半数以上が老老介護であることが判明しました。
要介護者の介護度にも左右されますが、一般的には年齢を重ねていくにつれて身体機能が低下し、介護者の負担が増加していく傾向にあります。介護のプロである介護職員であっても多くの人が腰痛に悩まされていることを考えると、一般の高齢者が行う介護はさらに過酷であることは容易に想像できます。精神的な負担も大きく、ストレスが原因で虐待などの問題行動の引き金になる可能性もあります。老老介護が続き、肉体的・精神的な限界が訪れたことで介護者本人も周囲のサポートがなければ生活ができない状態に陥る危険性もあるため、早急に解決しなければなりません。
また、大きなストレスは認知症を引き起こす原因になります。周囲から孤立して老老介護を続けていると、どちらかが認知症を発症する可能性が高くなるのです。
老老介護が増えている原因としてまず挙げられるのが、「平均寿命と健康寿命の差が開きつつある」ことです。平均寿命は年々上昇していますが、一方で健康的に生活を送れる年齢期限である健康寿命との差が開いています。別頁でも紹介しましたが、2013年の時点での健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳で、当時の平均寿命とは男性で9.02年、女性で12.4年の差があります。平均で10年ほど要介護状態の期間が続くので、親の介護を始めた時は50代だった子どもが介護を続けていくうちに高齢者になり、老老介護状態になる場合もあります。介護施設入所の準備をしていても、入所の順番待ちをしている間に老老介護状態になるケースも少なくありません。
また、「核家族化」が進んだことも老老介護が増加した原因です。子ども世帯と親の住まいが近いならまだしも、遠方に住んでいる場合は助けを求められません。その場合、高齢の夫婦同士で介護をせざるを得なくなります。中には子どもに介護をしてもらうのを情けないと感じ、配偶者に介護を依頼する人もいます。
現在、老老介護をしている世代は戦争中あるいは戦後の厳しい時代を経験していることが多く、周囲に助けを求めることに抵抗を感じる人もいます。「自力で何とかしなければ」と思うばかりに、SOSを出せないでいるのです。加えて、金銭的な余裕がなく介護サービスを利用できない人もいます。
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